スティーヴ・ウィンウッド公式録音記録:ジム・キャパルディ

Jim Capaldi

Birth Name : Nicola James Capaldi

Born : 2 Aug. 1944 (Evesham, Worcestershire, England)

Died : 28 Jan. 2005 (aged 60)

related musician

Oh How We Danced

Jim Capaldi

Release : Feb. 1972 (Island ILPS 9187/ UK)

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Whale Meat Again

Jim Capaldi

Release : Jun. 1974 (Island ILPS 9254/ UK)

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Short Cut Draw Blood

Jim Capaldi

Release : Dec. 1975 (Island ILPS 9336/ UK)

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アイランド・レコード三部作

ジム・キャパルディの初ソロアルバム Oh How We Danced は、トラフィック在籍中に制作された。収録曲中にアルバム The Low Spark Of High Heeled Boys 用に録音したという Open Your Heart が含まれ、スティーヴ・ウィンウッド、クリス・ウッド、リーバップ、リック・グレッチ、ジム・ゴードンがバックを固めている。スティーヴはオルガンとバックヴォーカルで参加、ほとんどトラフィックといえるサウンドが展開されている。また How Much Can A Man Really Take? もトラフィック風の曲で、クリスとリーバップに加え、フリーのポール・コゾフ、トレヴァー・バートン、マイク・ケリーらが参加している。この2曲はロンドンのアイランド・スタジオ録音だが、これ以外は1971年12月にマッスルショールズ・サウンド・スタジオで行われた。リック・グレッチとジム・ゴードンが脱退した後で、リズムセクションは同スタジオのミュージシャンを起用、これがデヴィッド・フッドとロジャー・ホーキンズのトラフィックへの参加に繋がった。タイトルナンバーは The Anniversary Song の原曲名で知られるスタンダードで、Big Thirst はデイヴ・メイスンとの共作曲。スティーヴは Eve でオルガン、Love Is All You Can Try でギターをプレイ、ジムも Last Day Of Dawn でアコースティック・ギター、Open Your Heart でピアノを弾くなど器用なところを見せている。またエソテリック・レコードのリマスターCDに追加された、シングルB面曲 Going Down Slow All The Way は、ジム単独によるマルチレコーディングで完成させている。

セカンドアルバム Whale Meat Again は、トラフィックの When The Eagle Flies に先駆けて1974年6月にリリースされた。全曲マッスルショールズ・サウンド・スタジオ録音で、同セッションマンを起用しているが、本作では特にギタリストのピート・カーが大きく貢献している。スティーヴ・ウィンウッドは It’s All Right でパイプオルガン、Summer Is Fading でオルガンとベースを弾いている。またクリス・ステイントン、リーバップ、レミ・カバカらも参加、曲のアイデア提供にヴィヴィアン・スタンシャルがクレジットされている。独特のアートワークは、トラフィックの六角形ジャケットでお馴染みのトニー・ライトが担当した。環境問題や社会不正をテーマにした曲もあり、前作と比べるとややシリアスな内容に仕上がっている。2012年にエソテリック・レコードからCD化された際、73年のシングルでポール・コゾフがギターを弾くニクソン批判の曲、Tricky Dicky Rides Again が追加収録された。

サードアルバム Short Cut Draw Blood は、トラフィック解散後の1975年12月にリリースされた。スティーヴ・ウィンウッド、クリス・ウッド、リーバップ、ロスコ・ジー、レミ・カバカ、ジェス・ローデン、ポール・コゾフら大勢のゲストを招き、今回もマッスルショールズ・サウンド・スタジオで録音している。UKチャート第4位のシングルヒットを記録したエヴァリー・ブラザーズの Love Hurts と、Johnny Too Bad の秀逸なカヴァー2曲に加え、オリジナル曲のクオリティも高く、アイランド三部作では最も聴き応えがある。スティーヴの貢献度も高く Goodbye Love でオルガン、ピアノ、ギター、ベース、Love Hurts でピアノ、Living On A Marble でベース、Boy With A Problem でシンセサイザー、Keep On Trying でピアノとオルガン、Seagull でアコースティックギター、メロトロン、ハープシコードと全面的にサポートしている。また Boy With A Problem はクリス・ウッドのドラッグ依存を憂虞して書いた曲だという。

【参考】アイランド三部作は1996年にエドセル・レコードが初CD化。2011年に Short Cut Draw Blood は、アルバム未収録シングル9曲を追加し、4作目の The Contender とカップリングして、オーストラリアのレイヴン・レコードからリリースされた。また The Contender は、14年にエソテリック・レコードからリマスターCDで再発されている。

The Contender

Jim Capaldi

Release : Feb. 1978 (Polydor 2383 490/ UK)

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Daughter Of The Night

Jim Capaldi

Release : Feb. 1978 (RSO RS-1-3037/ US)

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Electric Nights

Jim Capaldi

Release : May. 1979 (Polydor 2383 534/ UK)

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ポリドール・レコードに移籍

アイランド・レコードからはカヴァー曲集 Play It By Ear が、1977年にリリース予定だったが、スティーヴ・ウィンウッドのファースト・ソロアルバム Steve Winwood への参加などを理由に制作が遅延。3月の先行シングル Goodbye My Love を最後に、ジム・キャパルディはアイランドとの契約を終えた。その後ポリドール・レコードに移籍し、78年に4枚目のソロアルバム The Contender をリリースした。ジミー・ミラーがプロデュースした Dirty Business は、アイランド時代のシングル Tricky Dicky Rides Again を原曲とする社会派ソング。またタイトル曲はウェルター級チャンピオン、ヘッジモン・ルイスのドキュメンタリー映画用に作られた曲で、フリーのポール・コゾフ、マッスルショールズのメンバーをバックに録音している。ザ・コンテンダーズはジムの当時のバンド名でもあり、ピート・ボナズ、クリス・パレン、アラン・スペナー、トレヴァー・モライス、レイ・アレン、実弟のフィル・キャパルディらがサポートしている。

米国ではタイトルを Daughter Of The Night に変更し3曲をリプレイスして、ポリドール傘下のRSOレコードからリリースされた。タイトル曲はザ・ホリーズに一時在籍していたスウェーデン出身のミカエル・リックフォーズ作で、ディーン・パークス、レイ・パーカー・ジュニア、チャック・レイニー、エド・グリーンらと録音している。またサンタナもアルバム Havana Moon でこの曲をカヴァーしている。スティーヴ・ウィンウッドは米国盤にのみ収録の I’m Gonna Do It でリードギターソロを弾き、ロスコ・ジーもベースをプレイしている。またジム・キャパルディはベニ・ギャラガーと交流があり、米国盤にはギャラガー&ライルの Stay With You を収録している。2014年に The Contender がエソテリック・レコードからCD化された際、78年のシングルB面曲 Had A Dream Today と、米国盤のみに収録されていた3曲に加え、オランダ・フロニンゲンでの未発表ライヴ音源が追加収録された。

ポリドール・レコードからはもう一枚、1979年に5作目のアルバム Electric Nights をリリースしている。本作はゲストミュージシャンを招かず、ピート・ボナズ、クリス・パレン、アラン・スペナー、トレヴァー・モライス、レイ・アレン、フィル・キャパルディという、前作と同じ面子のザ・コンテンダーズがバックを固めている。またトラフィックのロスコ・ジー、フリーのサイモン・カークが数曲でサポート、ジムは多くの曲でドラムズに復帰している。全体的に統一感のあるバンドサウンドが支配的だが、それぞれの曲調はロック、フォーク、ディスコ、ファンク、AOR路線とバラエティに富んでおり、粒ぞろいの作品が並んでいる。特にブラジル人の妻アニーニャとの最初の娘の名前をタイトルに据えた Tabitha は、ジム・キャパルディの隠れた名バラードといえよう。同曲とシングルカットされた Shoe Shine、Wild Dog の3曲はジミー・ミラーが、他はジムがプロデュースしている。現在までのところCD化されていない。

The Sweet Smell Of Success

Jim Capaldi

Release : Jul. 1980 (Carrere CAL 116/ UK)

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Let The Thunder Cry

Jim Capaldi

Release : Apr. 1981 (Carrere CAL 123/ UK)

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フランスのインディレーベル時代

ジム・キャパルディ6枚目のソロアルバム The Sweet Smell Of Success は、1980年にフランスのインディレーベル・カレールからリリースされた。レコーディングはフランスのニースとドイツのハンブルクで行っている。ジム・キャパルディはヴォーカルはもちろんドラムズとパーカッションもプレイし、ほとんどを自作曲でまとめている。バックはピート・ボナズ、クリス・パレン、レイ・アレン、フィル・キャパルディらお馴染みのメンバーが固め、ベーシストにはアラン・スペナー以外に、新たにブレント・フォーブス、ミック・フィートを起用している。スティーヴ・ウィンウッドは録音に携わっていないが、ジムのソロアルバムには珍しく、二人の共作曲 Going Home が収録されている点で注目に値する。クリス・パレンのピアノとハリー・ロビンソンのアレンジによるストリングスを導入した、メロディアスなミディアムナンバーで一聴の価値がある。また新たな解釈によるトラフィックの The Low Spark Of High Heeled Boys の再演も新鮮に響く。ここではクリス・ウッドの代役でメル・コリンズがフルートを吹いている。2012年にエソテリック・レコードからCD化された際、同時期のシングルB面曲で9分を超す Bathroom Jane と、アルバム制作時のセッション音源、79年にブラジルの自宅でのデモ録音など7曲が追加収録された。

1981年のアルバム Let The Thunder Cry もフランスのカレール・レコードからリリースされた。ピート・ボナズ、クリス・パレンほか前作からのバンドメンバーに加えて、アンディ・ニューマーク、サイモン・カーク、リーバップらが参加。政治的メッセージを込めた力強いタイトル曲や、マラカナン・スタジオの歓声をエンディングに入れた、ブラジルへの愛情から生まれた佳曲 Favella Music、ヴィッキー・ブラウンとのデュエット・ソング Child In The Storm など、聴き応えのある曲が並ぶ久々の力作である。また70年代のブラジルのヒット曲 Casinha Branca に、ジム・キャパルディが英詞を付けた Old Photographs では、リオ・デ・ジャネイロ出身のアズィムスのメンバーと共演、スティーヴ・ウィンウッドがシンセサイザーを弾いている。本作はボーナストラックを追加して何度かCD化されており、2000年のイクスパンド盤には、サム・ミッチェルのスライドギターをフィーチュアした The Low Spark Of High Heeled Boys と、シングルB面曲の Bathroom Jane を追加、03年のデラックス盤にはこの2曲に加え Man With No Country と、デイヴ・メイスンとの98年のライヴ盤 Live: 40,000 Headmen Tour をカップリングしている。また12年にはエソテリック・レコードからリマスターCDが発売され、Bright Fighter、Favella Music の別ヴァージョンなど3曲を追加収録している。

Fierce Heart

Jim Capaldi

Release : Jan. 1983 (WEA International U0057/ UK)

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One Man Mission

Jim Capaldi

Release : Jan. 1984 (WEA International 251350/ UK)

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アトランティック・レコードに移籍

ジム・キャパルディ通算8作目のソロアルバム Fierce Heart は、1983年初頭にWEA=アトランティック・レーベルからリリースされた。スティーヴ・ウィンウッドは制作サイドからバックアップしており、ジムとの共同プロデュース、エンジニリング、リンドラム・プログラミングにクレジットされている。演奏面においても全曲に携わっており、シンセサイザーのほとんどをスティーヴがプレイしているので、同時期のスティーヴのソロアルバムと同傾向のサウンドが展開されている。ビルボードチャートで第28位のヒットを記録した That’s Love では、妻のニコル・ウィンウッドと共にバックヴォーカルをサポート。Tonight You’re Mine ではジムのドラムズとスティーヴのギターに加え、ヴァン・モリスンがアコースティック・ギターをプレイ。Gifts Of Unknown Things はライアル・ワトソン著の孤島漂流記にインスパイアされた作品で、スティーヴはマリンバとバックヴォーカルで参加している。このほか Bad Breaks でギターソロ、Runaway でピアノとオルガン、Living On The Edge でギターとバックヴォーカルを担当している。また Back At My Place ではジンジャー・ベイカーズ・バンドのギタリスト、ジョン・ミザロリがリード・アコースティックギターを弾いている。共作も含め全曲ジムのペンによるオリジナル作品で固め、ピート・ボナズ、クリス・パレン、ブレント・フォーブス、レイ・アレン、メル・コリンズという馴染みのメンバーも参加。2004年に米国のリイシューレーベルからCD化されたが、現在は入手が難しい。

1984年作の One Man Mission は、WEAインターナショナルから2枚目のアルバム。時代を反映したシンセサイザーによる音作りがベースだが、前作で全面協力していたスティーヴ・ウィンウッドが不参加のため、より典型的な80年代風サウンド・プロダクションとなっている。ジム・キャパルディの作品中でも話題性に乏しいアルバムだが、ゲスト・ミュージシャンは非常に豪華。注目はカルロス・サンタナが Lost Inside Your Love と Tales Of Power の2曲をジムと共作し、前者ではリードギターを弾いている。またトラフィック時代からの友人スティーヴ・マリオットが、Young Savages でパワフルなヴォーカルを披露。英国のシンガーソングライターで俳優のケニー・リンチとは、I’ll Keep On Holding On を共作し2曲にコーラスで参加。そしてスノーウィ・ホワイトは Nobody Loves You や Tales Of Power などで、素晴らしいギタープレイを聴かせてくれる。さらにココモのアラン・スペナーとニール・ハバード、フリーのサイモン・カーク、スティーヴィ・レインらも招いており、ジム・キャパルディの交友の幅広さを物語っている。本作も2004年にCD化されたがすでに入手は難しい状況。

Some Come Running

Jim Capaldi

Release : Dec. 1988 (Island ILPS 9921/ UK)

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Prince Of Darkness [Compilation]

Jim Capaldi

Release : Dec. 1993 (All At Once AA092082/ The Netherlands)

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Live: The 40,000 Headmen Tour

Dave Mason & Jim Capaldi

Release : Jun. 1999 (Receiver RRDC 270/ UK)

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アイランド復帰盤とライヴ・アルバム

約5年のブランクを経て1988年12月にリリースされた Some Come Running は、ジム・キャパルディの10枚目のソロアルバム。同年にスティーヴ・ウィンウッドはヴァージン・レコードに移籍し、Roll With It をリリースしているが、これと入れ替わるかのようにジムは、87年に古巣のアイランド・レコードに戻っている。本作はプロデュースや作曲パートナーとして、ピーター・ヴェイルとマイルズ・ウォーターズによるレキップがジムをバックアップしており、シンセサイザーとドラム・プログラミング・サウンドをベースにした、80年代風の軽快なロックアルバムに仕上がっている。スティーヴはタイトル曲でキーボードとサイドヴォーカル、Something So Strong でキーボードとギターをプレイしている。またミック・ラルフスが Take Me Home でギターを弾いており、ラストの Oh Lord, Why Lord では、トラフィックのロスコ・ジーがベース、ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンがダブルギターで共演している。この曲はスペインのヴォーカルグループ、ロス・ポップ・トップスの68年のデビュー曲で、パッヘルベルのカノンからお馴染みのメロディを拝借している。2012年にエソテリック・レコードからリマスターCDでリイシューされた。

ジム・キャパルディ初のベスト盤 Prince Of Darkness は、80年代にリリースされた5枚のアルバムからの選曲と、未発表のタイトル曲で構成されている。オランダ制作のCDで好選曲だがすでに入手は難しくなっている。デイヴ・メイスンとの連名による Live: 40,000 Headmen Tour は、1998年2~4月に行われた米国ツアーの模様を収録した充実内容のライヴアルバム。メンバーはキーボードにスティーヴ・トーマ、ベースにアレックス・ドリゾスを加えた4名。ジムのマネージャーを長年務めるジョン・テイラーにより、サウンドボードからDATに直接録音されたもので、修正やオーバーダブは一切していないという。2月のニューヨーク・コンサートではスティーヴ・ウィンウッドが飛び入りで参加し、トラフィックの曲などを共演し開場を大いに沸かせたというが、この時の音源は未収録。トラフィックとデイヴのソロナンバーがメインではあるが、40,000 Headmen や The Low Spark Of High Heeled Boys でのジムの枯淡なヴォーカルは味わい深く、またイーグルズへの提供曲 Love Will Keep Us Alive の御本人ヴァージョンもなかなかの名唱。この音源は Let The Thunder Cry のデラックス盤にも併録されている。

Living On The Outside

Jim Capaldi

Release : Oct. 2001 (SPV 085-72512 CD/ Germany)

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Poor Boy Blue

Jim Capaldi

Release : Nov. 2004 (SPV 085-70412 CD/ Germany)

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Pretty Colours

Deep Feeling

Release : Jan. 2009 (Sunbeam Records SBRCD5062/ UK)

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Dear Mr. Fantasy
The Jim Capaldi Story

Jim Capaldi

Compilation Producer : Mark Powell

Music Compilation : Aninha Capaldi, Paul Minkkinen

Release : Jun. 2011 (Universal-Island 5333997)

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